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メールを出し終わったと同時に晃の部屋がノックされた。
「はい」
「みんな、色々お話して喉乾いたでしょ?お菓子と飲み物用意したから下に降りてらっしゃい。」
「はーい!!」
お菓子と聞いて目を輝かせたミュリゥは両手を広げて元気よく返事をした。それを見た優姫も笑みを浮かべてミュリゥの頭を撫でてから下に降りていった。
「下に降りるか」
「そうですね」
晃とミリアムは使い魔達と一緒に下に降りてリビングに入った。テーブルには人数分のケーキと飲み物が置いてあった。
「はーむ!!美味しい!!」
ケーキを口に運び目を輝かせるミュリゥに晃もミリアムも笑みを浮かべる。
「本当に美味しいです!!」
「ふふ、喜んでもらえてよかった。作った甲斐が合ったわ。」
「これはお母様が?」
「あらミリアムちゃん、お母様なんて本当に嫁いできたみたいね。」
お母様と呼ばれて満更でも無い笑顔を浮かべる優姫と自分の言った事を思い出し顔を真っ赤にさせるミリアム、その間には晃が居る為、なんとも居たたまれない。
「晃、聞いた?お母様ですって」
「・・・・」
晃はコーヒーに口を付けながら何も言わずに正面に視線を向けると小首を傾げるミュリゥの姿が目に入った。
「どうした。ミュリゥ?」
「うゅ?うーんと、ミリお姉ちゃんはお兄ちゃんのお嫁さんになるの?」
「「っ!?!?」」
ミュリゥの純粋無垢な質問が二人にはとんでも無い一撃となってしまい。二人は固まり、横で優姫がクスクスと笑っていた。
「ねぇねぇ、ミリお姉ちゃん」
「ミリアム、後任せた」
「ず、狡いですよ晃!!」
そうは言うがミュリゥの興味がミリアムに注がれている為、ミリアムが答えるまでミュリゥは納得しないだろう。
「母さん、親父と姉さんと璃菜は?」
「あぁ、泉さんは連夜さんの所に言ったわ。茜と璃菜は友達と遊びに行ったわ。」
連夜は京伽の父親であり宝将院財閥の現当主だ。泉と連夜は旧知の仲なので、近状を話に行っているのだろう。それよりも隣でミュリゥに質問攻めによって茹で蛸のように顔真っ赤にしているミリアムにそろそろ助け船を出さないと後が大変そうだ。
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