第五章:剣舞

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知り合った数か月だが何度も行動を共にしていた夜華をイメージしてやってみたのが上手くいったようだ。 「晃様、女性としても十分に通用する色気をお持ちなのですね」 「まぁ、ある意味鍛えさせられたからな。女装もさせられたし」 「ですが、それはある意味女性の尊厳を根底から叩き折ってしまう事も・・・」 夜華の言葉で似たような事を言われたのを思い出し、晃は苦笑いを浮かべた。 その後、HRの為に担任の風香が入ってきた為、全員が正気に戻り自分の席に戻って行った。HRは最近周辺が物騒になっているので気を付けて登下校する事という内容だった。そして、晃達は授業を受けた。 昼休みになり、晃と夜華はいつも通り生徒会室に来ていた。 「はぁ・・・」 「晃、ミリアムちゃんの事で質問攻めにあったようね。二年生の教室でも噂になっていたわよ」 「あぁ、買い物に行った時に見られてたみたいなんだよ。噂が広まるのは早いな」 「それはそう、今はSNSもあるから情報が拡散されるのも早い」 玲がとあるSNSのサイトを開いたのを覗き込むと晃とミリアムが歩いている写真がアップされており、既に拡散されてしまっていた。 「昨日の今日でこれか・・・」 「晃ちゃん、編入してきて日は浅いのにあっという間に有名人やもんな。」 「だが、これについては用心もした方が良いだろう。妬む奴も出てくるだろうからな」 「だよなぁ~」 シンの話に晃も同意する。何よりSNSは誰が見ているか分からない上に本人が気が付かない所で恨みや妬みを買ってしまう事も多いのだ。 「晃ちゃん、情報規制する?」 「いや、規制したら尚更怪しまれるだろうし。静観しておいた方が良いだろう。」 「ちなみにこの子ってベリューアは何か知っているん?」 「そうだな俺と同じって言えばわかるか?」 ミリアムは光帝の立場と学生としての立場の二つを持っていた為、光帝の象徴する武器を使えばミリアムが光帝である事は直ぐに分かってしまうだろう。 晃は京伽に一言告げながら、ミリアムが白亜の盾として戦っていく為に魔武器であるトライフィアの他にもう一つ接近戦を行える武器が必要かもしれないと考えていた。 ミリアムはサブとして魔導書グロリアを持っているがこの世界では魔法を多用するのは魔力を多く消費してしまうからだ。
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