第五章:剣舞

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その為、魔法重視の戦闘は効率が悪いのだ。 晃はボックスを開き手を中に突っ込んで何かを探す。 「晃ちゃん、何してるん?」 「あぁ、ちょっとな」 するとボックスから手の平に納まる程の石が出てきた。 「何それ?」 「魔力を含んだ石、魔石だよ。魔武器を作る為に使う石なんだけど、この石は特殊でな俺には使い道が無かった石なんだよ。これをミリアムに使わせようと思う。」 晃が出した魔石は熾魔石、普通の武器を魔武器に変化させる事の出来る魔石であり、晃が取り出したのは最高純度の魔石である。 「透き通って、すごく綺麗」 「魔石はこんな風に透き通っているのが高純度の証拠なんだ。」 「じゃあ、これは最高純度の魔石って事ですか?」 「正解だ。俺は武器を十分に持っているから持て余してたんだよ。他にも魔石は持っているけど此処まで純度の高い魔石はそうそう手に入らないんだ。」 晃のボックスには任務で倒した魔物から出て来た魔石や偶然、任務先で見つけた魔石等も入っており。今出した熾魔石はその中でも最高純度の魔石に当たるのだ。 「まぁ、そんな魔石だけど一つ欠点があってな。こいつは既に出来た武器を魔武器に変える為の魔石だから武器が無いといけないんだよね。しかも並みの武器じゃダメなんだ。」 「それなら、家にある刀はどう?元々は晃が使う予定だった刀だけど、晃は使わないんでしょ?」 「そういえば、親父が言っていたな。使えるかもしれないな」 家に戻ったら確認してみようという事になった所で昼休み終わり、午後の授業を受けた。 午後の授業が終わり、帰り支度をしていると夏樹と隆介が晃の所まで来た。 「晃、お前部活とかはどうするんだ?」 「部活?今の所入るつもりは無いけど?」 「お前、勿体無いぞ物凄い運動神経あるのに」 「というか、金曜日にアンタが見せた三階から飛び降りてからの大ジャンプ、校内でも噂になって運動部が勧誘しようとしているんだから。」 夏樹が向けた視線の先には教室の出口があり。そこには運動部らしき者達が晃が出てくるのを待ち構えていた。
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