第五章:剣舞

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夜華と晃は作戦を話終えると直ぐ行動に移した。 「あっ、天道が動いたぞ!!」 「星切さんが!!」 晃は教卓側、夜華は後ろ側の出入り口へ歩き始めると出入り口の前に集まっていた運動部員達がそれぞれ目的の者達が居る方へ動き始めた。 「ちょっと男子どきなさいよ!!」 「そっちこそ!!」 案の定、男子と女子で互いに進路を塞いだ状態となり出入り口が見事に空いた隙に晃と夜華はそれぞれの出入り口から出て東側にある階段の方へ行くと、運動部の女子生徒達が塞いでいた。 〔夜華、東階段は夜華の勧誘する為に女子生徒が集まっているが中央階段はどうだ?〕 〔同じく晃様を勧誘する為に集まっています。〕 〔追手も来るだろうし突破するしかないか〕 念話を切って晃は階段に近づくと晃の姿に気が付いた彼女達が頬を赤く染めた。 「て、天道君」 「天道君、星切さんは?」 「さっき教室から出て行くのを見たよ。とりあえず通っていいかな?」 「あっ、うん」 「ありがとう」 晃がそう言うと彼女達が道を空けてくれたので、階段を降りる時に礼を言って階段を下りた。 〔夜華そっちは?〕 〔はい、今、お願いして階段を降りております。〕 〔よし、玄関で合流しよう〕 階段を下りて三階から一階に降りると先に着いていたようで夜華が玄関の様子を見ていた。 「夜華、どうした?」 「晃様、玄関にも待ち伏せされていたようです。」 晃も壁際から覗き込むと見事に晃達の下駄箱の所に待ち伏せされていた。 「はぁ、仕方ない、んっ、んん!!あー、あー」 晃は指先に魔力を集め喉を弄り声を変える。 「天道が体育館の方に逃げたぞ、全員で包囲しろ!!」 「星切さんも体育館の方に言ったわ、全員で捕まえて!!」 晃が声を変えて言うと玄関に居た者達が騒ぎ出し一斉に動きだした。だが、弊害で上に居た運動部員達にも聞こえてしまったので一斉に動き出す気配を感じた。 「よし玄関が空いた急ごうか」 「晃様、何処でそんな技を」 「まぁ、向こうの世界でやってた仕事柄こういう事も出来るようになったんだ。」 そう言って晃と夜華は靴を履き替えて外に出た後ろからドタドタと走る音が聞こえて来たが下校する生徒達に紛れ込んだ為、もう晃と夜華を捉える事は不可能になった。
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