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そして、晃達が成長していき晃がミュリゥぐらいになった頃から木刀を握って泉と打ち合っている写真が出てきた。
「晃、こんな小さい時から泉さんに刀を?」
「そうね。泉さんに刀を教えて貰いながら一本取る為に頑張っていたわね。」
「ただいまー」
晃と泉が打ち合っている写真を見ていると玄関から晃の声が聞こえて来た。
「うゅ!?」
晃の声が聞こえたと同時にミュリゥがミリアムの膝から飛び降りて玄関へ駆けて行った。
「お兄ちゃん、お帰りー!!」
「おぉ、ミュリゥただいま」
勢いよく晃に飛び込んできたミュリゥを抱き上げると空いた手でカバンを持って家に入った。
「あら、晃お帰りなさい」
「ただいま、何見て・・・」
リビングに入ってミリアム達が見ていた物を見て晃は固まった。
「ず、随分、古い物を」
「あら、良いじゃない減る物じゃないでしょ?」
「マスター様の幼少期はとても可愛らしいですね。」
「そ、その晃ってこんなに可愛らしかったのですね?」
フリーシアとミリアムが晃の幼少期に木刀を握っている写真を見てうっとりとした表情を浮かべていたのを見て晃は苦笑いを浮かべた。
「着替えてくる・・・」
晃はミュリゥを下ろして自分の部屋に上がっていった。そして、一冊目のアルバムを見終わったら頃に晃がリビングに戻ってきた。
「全く母さんは・・・」
「うふふ、晃は恥ずかしいだけかもしれないけれど私にとっては大切な思い出だし。それをミリアムちゃん達に話しているだけよ?」
「・・・・」
クスクスと笑う優姫に晃は何も言えなくなってしまった。やはり、母親には晃も勝てないようだ。そんな様子にフリーシアとミリアムはクスクスと口元を抑えて笑っていた。
「まぁ、いいや・・・母さん、親父が言っていた俺用に拵えた刀って何処にあるんだ?」
「裏の社にあるわよ。どうして?」
「それを見せて欲しいんだ。」
晃はミリアムをチラリと横目で見てから優姫に告げると優姫は納得したような表情をして立ち上がった。
「そう、じゃあ、ミリアムちゃんも一緒にいらっしゃい。」
「は、はい」
ミリアムは何の事か良く分かっていないような表情をしながらも晃と一緒に優姫に付いて行った。
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