第五章:剣舞

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その後、仕事から帰宅した泉に夕食を食べた後に清白雪の事について話をした。 清白雪からエンブレスソウルへと変化した鍵型の片刃剣を見て最初は驚いていたが、話を聞くにつれて納得をしてくれた。 「そうか、元々は晃の刀だ。何より、お前がそうしたかったんだろ?」 「あぁ」 「だったら、俺は何も言う事は無い。」 「お父様、晃から受け取った刀は大切に使わせて頂きます。」 「あぁ、その方が生まれ変わった清白雪も喜ぶろう。」 そう言って、泉がエンブレスソウルに触れてから柄を握り刀身を見つめた。 「反りとかは形は変わっているが刃は清白雪の面影があるんだな」 観察を終えた泉はミリアムにエンブレスソウルを返す。 「鞘とかはどうなったんだ?」 「鞘は私が必要だと念じればエンブレスソウルが作ってくれます。」 エンブレスソウルを受け取ったミリアムはそう言ってエンブレスソウルに魔力を込めると鯉口が鍵穴の形になっている鞘が姿を現し、ミリアムはエンブレスソウルを鞘に納めた。 「ミリアムさんは基本的に鞘を使わない戦い方をするんだね?」 「はい、私の場合は鞘から抜いた状態で戦い、空いている手は主に魔法を放つ時や剣に魔力を込める時に使います。」 ミリアムの戦闘スタイルは魂が切り替わる毎に変化する。通常時である青の魂でいる時はスピードタイプの戦闘スタイルで晃に匹敵する機動力を持ち高速の斬撃と炎、水、風、地、雷の五属性を駆使して戦うスタイルだ。弱点は、晃と同じで力負けしやすい所だ。 赤の魂でいる時はパワータイプになりミリアムの華奢な見た目とは裏腹に闇属性を駆使して重たい斬撃を打てるようになるのだ。弱点は、防御魔法が弱くなり打たれ弱くなる。 緑の魂でいる時はディフェンスタイプになり光属性を駆使し強力な攻撃魔法を放てるが防御、補助、治癒に長ける。ミリアムが防御重視になればどんな攻撃もミリアムには通用しない程だ。弱点は動きが遅くなる為、スピードタイプの者が相手だと捕まえられなくなってしまうのだ。 「なる程、そんな事が出来るのか」 ミリアムの能力を聞いて泉が興味深そうな表情を浮かべた。更に横耳で聞いていた茜や璃菜も泉と同じで興味津々といった様子だ。
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