第五章:剣舞

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マキナが一か所に集まったと同時に晃とミリアムが地面に手を付き魔力を流すとマキナ達の足元に巨大な魔方陣が展開した。 「「《イグニートコフィン》!!」」 晃が炎属性の魔力をミリアムが風属性の魔力を均等に流して、行う混合魔法に包まれた。だが、それだけでは終わらなかった。 「《零氷なる化身よ、彼の者を凍てつかせ我に迫る災いを消し去れ---インブレイオス・エンド》!!」 晃とミリアムの混合魔法によって巻き起こった炎の竜巻はマキナの装甲に熱を与え、晃が更に詠唱を行い炎の竜巻を一瞬で凍てつかせる。 「《雷鳴よ彼の者に豪傑なる鉄槌と終焉を与えよ---インディグ・クロス・レイブ》」 最後は雷属性の魔法によって炎から氷へ変化した場所に落ち青い雷が十字架を形成して全てのマキナを吹き飛ばした。 「ふぅ、これで全部か。」 「はい、周辺に不審な気配も転移の気配もありません。」 晃とミリアムはそれぞれ魔武器を仕舞うと小さく息を吐いた。 「全員、さっきやったのは後で説明するから、事後処理するぞ巻き込まれた一般人も居るんだからな」 そう言って晃が茜達に指示を出し、マキナの残骸を回収させる為の部隊を玲に要請してから車に張っていた結界を解いた。 「もうここは大丈夫です。お二人共、念の為、怪我が無いかを確認させてもらいますので今来た車に乗ってもらってもいいでしょうか?」 「は、はい」 男性にそういうと素直に返事をして車から降りると後ろのドアを開けた。すると中から黒い髪を肩下ぐらいまで伸ばし整った顔立ちをした少女が姿を現した。 その少女の姿に晃は見覚えがあった。しかし、何処で見たのかが思い出せず首を傾げた。 「ちょ、ちょっと晃さん、この人!!」 「なんだ満、知っているのか?」 彼女を見て後処理をした満が駆け寄ってきた。 「知っているのかじゃないですよ!!超人気アイドルの早坂香凛(はやさかかりん)ですよ!!超有名人じゃないですか!!」 満に名前を言われても何処で見たのか思い出せず。晃は額に手を当てる。 「晃、多分、休日に行ったショッピングモールの広告じゃないですか?」 「あぁ、服屋の広告だ!!」 ミリアムに言われてようやく彼女の事を思い出したようで、思わず手を叩くと満に信じられないと言った目をされてしまった。
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