第五章:剣舞

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今まで芸能関係の情報を入手する必要性を感じなかったのだが満に芸能関係の情報を入手するように怒られてしまった。 「天道さん、有名人の事を知らないなんて失礼極まりない行為なんですよ!!」 「お、おう・・・満、芸能関係になると力が入るんだな」 「あっ、す、すみません!!」 晃は「くくくっ」と笑いながら、手当を受けている二人の乗っている車に入る。 「どうですか?」 「二人共、大した怪我ではないわ」 二人を見ていた女医に容態を聞くと早坂香凛の方が肩をぶつけた程度、マネージャーの方も大した怪我はしていないようだ。 「さて、今回の件について色々と話を聞きたいんだが、こんな時間だ。そちらとしても彼女をもう休ませたいんじゃないか?」 「はい・・・」 「彼女がベリューアのマキナに狙われたとなれば、今後狙われない保証は無い。方針も含めて明日話をしたいのですが?」 「明日ですか・・・」 マネージャーが手帳を開く、満の話ではかなりの人気アイドルらしいので予定も入っているのだろう。 とは言え、マキナに襲われた以上、次も狙われてしまう可能性がある。白亜の盾としては彼女が狙われる理由が分かるまで守るべきだ。 何より有名なアイドルである早坂香凛がマキナに襲われてしまった以上、マスコミが動かない訳が無い白亜の盾としてもなるべく穏便に済ませたい話だ。 そんな時だった。早坂香凛のマネージャーのスマホが鳴った為、晃が「どうぞ」と言って出る事を許可すると晃の方にも玲から連絡が入ってきたので、耳に手を当てて玲からの話を聞く。 『晃、今、京伽が根回しをした。向こうも明日詳しい方針について話合いをする事で合意した。でも・・・』 「でも?」 「どんな状況でも絶対に彼女を守る事が出来る人間を明日の話し合いまで付けて欲しいって要望をされた。」 向こうの言い分は最もだろうと晃は思う。恐らくマネージャーの方に来ている電話もその件だろう。 「ごもっともだな・・・」 耳に手を当てながら座っている香凛の方を見る。すると彼女が此方を見つめていたようで目が合った。しかし、彼女の方から直ぐに逸らされてしまい晃は首を傾げた。
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