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一通り話終えると説明を終えたフリーシアと香凛が隣の部屋から戻ってきた。
「マ、こ、晃さん、香凛さんに部屋の案内をしてきました。」
「あぁ、ありがとう。」
フリーシアが晃の事を呼ぶ時に詰まらせながら報告をして来たが晃はいつも通りの接し方で返す。フリーシアには晃との関係を香凛に悟らせないように呼び方を変えるように言ってあったのだ。
「さて香凛さん、とりあえず朝まで警護をするメンバーを紹介するね。」
晃を筆頭にフリーシア、夜華、シン、最後におまけとしている玲が自己紹介をした。
「それで、警護についてだけど、一晩中四人で警護するのも訳では無く二人一組で交代で香凛さんの警護に当たるから。交代まで二人には睡眠を取ってもらう形になる。香凛さんは朝までこの部屋からは出ない事を約束してください。」
「分かりました。」
「じゃあ、晃さんは最初に寝る方でお願いします。」
「な、なんでだよ?」
速攻でフリーシアが晃に寝るように言ってきた為、咄嗟に聞き返すとフリーシアがずいっと顔を近づけて来た。
「そう言って後半になって寝る事になっても晃さんは何かと理由を付けて朝まで起きてるじゃないですか、違いますか!?」
「ぐっ・・・」
リスティアで晃が良くやっていた手である。ずっと一緒に居たフリーシアはそれを知っている為、真っ先に晃を寝かせる事を優先して来たのだ。寧ろフリーシアでは無く一緒に居るのがミリアムであっても同じことを言われただろう。
「そうだな、晃が前半で良いだろう」
「そうですね。この中で晃様が一番戦っていましたし、先に休むべきです。」
「うんうん、晃とっとと寝るべき」
「お前等・・・」
「ふ、ふふふふ」
晃が全員から寝るように言われている光景が面白かったのか香凛がクスクスと笑っていたのを見て晃は小さく息を吐いて寝る事を承諾して隣の部屋に入りシャワールームで汗を流してから動きやすい服装に着替えてから、ベットで横になった。
そして、晃の隣にあるベットにはーーー。
「マスター様、睡眠は大事ですよ?」
「分かっているよ。」
フリーシアが見張っていた。晃が眠りに着くまで彼女も眠る気はない様子なので、こういう場合は素直に寝るのが最適解だろう。晃は瞼を閉じたと同時にゆっくりと微睡みの中に落ちて行った。
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