4990人が本棚に入れています
本棚に追加
二時間後、晃は目を覚ます。スマホを取り出して時間を確認すると隣で寝ていたフリーシアを起こす。
「フリーシア」
「うぅん・・・ふぁ~マスター様ぁ~おはようございますぅ~」
寝ぼけ眼で起き上がるフリーシアに後で来るように言って晃は部屋を出た。
「晃、起きたか」
「晃様、おはようございます。」
「あぁ、おはよう。代わるよ。」
そう言うとシンと夜華は仮眠室がある隣の部屋に入って行き入れ違いで身だしなみを整えたフリーシアが出て来た。
「フリーシア、コーヒー飲むか?」
「はい」
晃がコーヒーを入れる為に台所でお湯を沸かしながら部屋を見渡すと、ソファーで香凛が寝ていた事に気が付いた。
「あれ、香凛さん、隣で寝なかったのか?」
「そのようですね。」
「起きている人の目に留まっていた方が安心するって此処で寝る事にした見たい。」
玲がコーヒーを入れる晃の手元を見ながら、そう言って来た。
「玲、何処にいた?」
「机の下で寝てたけど、今、起きた。私もコーヒー」
「あいよ」
マグカップを三人分出してカップを温める為に沸かしたお湯を入れてから、粉にお湯を注いで蒸らすとコーヒーのいい香りが漂う。
「いい匂い」
コーヒーが落ちるのをジッと見つめる玲だが、その姿が何故か尻尾を振る犬のように見えてしまうから不思議だ。
その後、マグカップにコーヒーを注ぎ玲に渡す。受け取った玲は自席に持っていき、椅子に座ってコーヒーを飲むと満足そうな表情を浮かべていた。
「フリーシアはミルクと砂糖は?」
「はい、お願いします。」
フリーシアにコーヒーを渡してからミルクと砂糖を用意して自席に持っていく。
「ありがとうございます。」
猫舌なフリーシアは少し冷ましてからでないと飲めないのだが、恐る恐るコーヒーに口を付けては離し付けては離しを繰り返している為、その様子を横目で見ながら晃もコーヒーを飲む。
「美味しいです。」
「それは良かった。」
コップを机に置いて晃はPCをスリープ状態から復帰させて途中になっていた報告書とチーム全体に展開されている情報を確認する。
最初のコメントを投稿しよう!