第五章:剣舞

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時折、寝ている香凛を気にしながら、晃は作業を続ける。フリーシアも隣で本を読んでいる。 「晃、見て欲しいのあるんだけど、良い?」 「あぁ」 玲からファイルが送られてきたのでそれを開くと数時間前に戦ったマキナの図面が出て来た為、晃は真剣な表情で図面を確認する。そこにはYM-040R型と言う型番号が記載された。どうやら戦った中に新型が居たようだ。 今回、戦ったマキナは全て人型だった。つまり、人型の新型が紛れ込んでいたのだろう。 「晃、このマキナ、図面見る限りだとYM-032H型と同じように見えるんだけど・・・」 「ベースはそうだろうな、後は軽量化されているな」 「でも、それだけならH型なのになんでR型なんだろうって・・・」 「マキナ達が乗ってたバイクは調べたか?」 マキナの設計図を持っている晃はこのマキナがどういう物なのかを知っている。 「あのやけに大きなバイク?」 「そうだ。マキナはあれに乗って香凛達を追いかけていたんだろ?」 玲がPCを持って晃の隣に座ると晃にバイクの図面を映した画面を見せる。 「これ重火器が多く搭載してるんだけど型番とかが無い」 「あぁ、YM-040R型は人型だけどそのバイクとセットなんだよ。つまりヒューマン型では無くてーーー。」 「ライダー型ってこと?」 玲が気が付いたようで答えると晃はコクリと頷いて肯定した。 「重火器はバイクに積んでいる武器は俺達が乗っているバイクと同じで前方に対して打つ事も可能だし、取り外して運用する事も可能だな。」 「じゃあ、このマキナは武器を運搬して戦っているマキナに装備させたりするサポート型でもあるって事?」 「あぁ、だからマキナのボディは軽量化されているんだ。重い武器を運ぶのにボディまで重くしたらスピードも出ないからな」 だが、ライダー型の嫌な所はもう一つある。このマキナはバイクに乗ったまま相手を翻弄してチェーンを使って拘束してくるのだ。 つまり、相手を包囲、拘束して身動きを取れなくしてから総攻撃をかけて来る為、一度、拘束されてしまえば窮地に陥ってしまう。
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