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水属性には鎮静と言う特性があり、相手の放った魔法の威力を下げる事が出来るのだ。晃はその特性を利用してこの空間にある水を利用して魔法を鎮静化したのだ。
「なるほど、我の魔法を水の特性で打ち消すか」
「ここは俺の得意な場所でもあるからな、水は俺の味方だ。」
晃の周りで水が渦巻く、水属性の得意な晃は水場であるならば普段よりも二倍、三倍の力を発揮する事が出来るのだ。
「俺のとっておきを使わせてもらうよ。」
渦巻く水が刀に集まりピキピキと凍結していくと一回り大きくなった氷の刃が姿を表した。
「氷零硝・蒼牙」
晃は蒼銀霞龍・凍華の特性である氷零硝・蒼牙を発動させて刀を強化すると一気に最高速まで加速して水月綺に切りかかる。
「っ!!」
咄嗟に鏡で受け止めるが氷零硝・蒼牙の特性によって鏡が凍てつき始め、冷気が水月綺の腕まで襲い掛かる。
「おのれ!!小癪な!!」
水月綺は魔法による衝撃波で晃を無理矢理突き放してから術符を取り出して炎属性の魔法を使って凍てついた腕と鏡を溶かすと直ぐに無数の術符を取り出す。
「10年そこらしか生きていない小僧が、我を!!」
水月綺から魔力が噴き出すと無数の術符が散らばり至る所で光を発した。その瞬間、この空間の魔素が異常な程に濃くなった。
「なんだ。急に体が・・・」
魔素が急激に濃くなった事で晃の視界がぐるりと歪む、慣れない魔素の濃さに晃が酔ったのだ。それによって一瞬、真鏡が解けそうになるが瞬時に立て直し意識を再び集中力を高めてこの場に適用させる為に魔力を身に纏う。
魔素の濃さによって予想以上の力が溢れる。これから考えられるのは水月綺の放つ魔法の威力である。魔素の濃さは魔法の威力にも大きく影響する。魔素が濃ければ濃い程、自分の魔力に反応する魔素も多くなり魔法の威力が向上するのだ。
つまり、水月綺が放つ魔法が今まで以上に上がると言う事だ。しかし、この空間は晃にも影響を及ぼしている。つまり晃の放つ魔法も威力が上がると言う事だ。
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