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何より魔力や気配に一切の乱れが無く、本気である事が伺えた。何より水月綺の中で晃の成長を見てみたいという気持ちが徐々に芽生え始めて来た。
刀による斬撃を主体に魔法や補助武器を扱い、戦う中で成長し強くなる。そんな晃が次はどんな戦い方をしてくるのか、こうして睨み合う中でも常に魔力を練りいつでも魔法を撃てるようにしている晃に水月綺は術符を数枚取り出す。水月綺が放つ魔法は全て事象魔法であり魔法の固有名称は無い、それ故に自分の思う通りに扱いやすいという利点がある。
「踊れ」
水月綺が一言そう唱え術符を湖に投げると凍てついていた筈の湖が突然罅割れ氷を突き破り水の竜巻が巻き起こると巨大な龍が姿を現した。
「《水よ渦巻け、蛟よ走れ》!!」
水月綺の詠唱によって水を纏った龍が晃に襲い掛かった。晃はそれを見て飛び上がると左腕に付いている腕輪が光輝き一枚の術符を取り出した。
「あの術符は」
「出来るか、俺に《水よ渦巻け、蛟よ走れ》!!」
そう唱えて術符を湖に投げると水月綺が見せた魔法と同じ現象が起こり、湖から龍が姿を現した。
「なっ、我の魔法を」
しかし、魔力コントロールが得意ではない晃が放った魔法は水月綺ガ放った魔法とは違いムラがあった。しかし、威力は持前の質でカバーしており水月綺の蛟と拮抗していた。
水月綺が蛟同士の戦いに気を取られている隙を突いて晃が、水月綺に接近し右手に持つ蒼銀霞龍・凍華を薙ぎの斬撃を放つ。
「お前の動きは見えている!!」
晃の斬撃を再び鏡で受け止めようとした時だった。晃の斬撃が鏡の前から煙となって消えたのだ。
「何!?」
消えて煙は冷気を纏い水月綺の服を凍てつかせ自由が効かなくなる。その瞬間、蛟達の戦いに異変が起こったのだ。
「グァァァァ!!」
なんと、水月綺が放った蛟が突如として凍てつき砕け散ったのだ。そして、晃が放った蛟は氷の鎧をその身に纏い氷の龍へと姿を変えていた。
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