幕間:零氷と九尾の妖狐

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戻ってきた晃にミュリゥが先程の話について報告をした。 「それでね、ミズミズがお兄ちゃんに負けて使い魔の契約を結んだって。」 「そうか、水月綺と戦った時の話をしたのか。でもなミュリゥ、水月綺は凄いんだぞ?」 「うゅ?」 ミュリゥを膝に乗せながら頭に手を置くとミュリゥは首を傾げていた。 「水月綺と契約してから何度も危ない戦いがあったけれど、水月綺が居なかったら俺は死んでいた戦いも沢山あったんだ。俺は水月綺の魔法や狐火に何度も助けられたし、水月綺に魔法を教わっていなければ危なかった事もあったんだ。」 「そうなのミリお姉ちゃん。」 「えぇ、帝になったばかりの時は特にそうでしたよ。水月綺さんの肩を借りながらギルドに戻ってきた時もありましたから。」 晃の言葉を聞いてミュリゥはミリアムの方に視線を向けるとミリアムもコクリと頷く。巨大な魔物は生命力が高く、晃の白夜真抜流では仕留めきれなかった事も多々あり、常に魔力を使って威力を上げた攻撃が必要だった。その為に大量の魔力を消費してしまい魔力と体力を使い切り動けなくなってしまっていたのだ。 「その時は依り代契約をしていたから水月綺を召喚していられたのが幸いだったな。」 「ミズミズ、すごい!!」 「ふん、当然です。」 当時の上から目線の口調は本当に何処に行ってしまったのかと思える程、変貌してしまっているが、それでも水月綺は晃にとってとても頼りになる使い魔である事には変わりは無い。何より重要な任務では水月綺は必ずと言って良い程、呼んでいた。 今ではフリーシアや陽華も居る為、分散はしているがそれでも水月綺が居る時の安心感と言う物は大きいのだ。 「水月綺、これからも頼りにしているぞ。」 「と、突然どうしやがりました!?」 「まぁ、そう言っておいた方が良いと思ってな。勿論、フリーシア、陽華、ミュリゥ、エフィ、紅凰、月姫、蒼龍もな。」 晃の言葉にフリーシア達もコクリと頷くなか、水月綺はクスリと笑い声を漏らすと。これからも主である晃を守って行くことを改めて決意した。
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