第二十一章:宵華

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巫女姉妹契約の条件は苦手な特性が被っていない事と魔核をもう一つ保持している事だ。そして、晃、ミリアム、宵華は苦手な特性が被っていない上に魔力を溜める魔核を二つ以上保持している。つまり晃達は複数人での巫女姉妹契約が可能なのだ。 「なるほど、確かに納得は出来ますが・・・ならば三人以上の巫女姉妹契約者も居るのではないですか?私がしる限りでは二人一組が大半だと思いますが。」 「それが出来るだけの魔力量が無いからだよ。純粋に二人から三人になった場合、お互いの負担は増加する。その負担は大体だが二人の時と比べて二倍だろうね。」 本来、一人の力を支え合うというのは大きな負担を伴うものだ。それを巫女族はさも当然のようにやれるだけの力があるのだ。しかし、それは二人だから出来る事であって、それが三人、四人に増えた場合、その分、個人に掛かる負荷と言うのは大きくなってしまうのだ。 「だから、三人で契約を行えるのならお互いに膨大な魔力を持つ俺達ならば可能であるレベルなだけで、並みの巫女族では負担が大き過ぎて命の危険まである。」 「そういう事ですか・・・」 「しかも、宵華は俺達と同等の魔力を保有しているし、俺達も膨大な魔力を持て余し始めている。」 「えぇ・・・これは私達にも十分なメリットがある話ですね。」 そうは言うがミリアムは何処か複雑そうな表情を浮かべていた。それを見た宵華がクスリと笑みを浮かべるとミリアムの耳元で何かを囁いた。 「ふ、ふぇ!?!?!?な、なにを言っているんですか!?」 「ふふふ、ミリアム様、それだけの寵愛を受けているのです。もう少し自信を持つべきだと思いますわ。」 「よ、余計なお世話です!!」 顔を真っ赤にして食って掛かるミリアムと余裕そうな表情を浮かべる宵華に晃と膝の上にいたミュリゥが首を傾げた。 「うゅ、ミリお姉ちゃんどうしたんだろうね?」 「ん~、まぁー悪い話では無さそうだし良いんじゃないか?」 晃がミュリゥの頭に手を置くとミュリゥは嬉しそうに晃の手に撫でられた。
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