第二十一章:宵華

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ヒューリ達も話を終えて、晃が大巫女達に今の状況を説明した。 『なるほど、ディグリスとゼラージスが再び出会いましたか。』 「えぇ、こうするしか無かったとは言え、状況は厳しいです。」 『そうですね。此方としても戦力をもっと送りたかったのですが・・・』 「分かっています。」 アース界とリスティア界を行き来するには多量の魔力が両方の世界で必要になる。晃達もあれ以上保つ事は出来なかった。 『あぁ、そうでした。晃とお話をしたい人が居るのでした。』 「俺と話したい人?」 『丁度、来たみたいですね。』 大巫女がそう言うとリズ、グレン、フォイル、リフィア、エルナが入ってきた。 「みんな」 『久しぶりだな、ユウ。いや、本当の名前は晃だったな。』 『本当は私達も行きたかったんだけど、私とグレンはリスティーさんに止められたのよ。』 「来ようとしてくれただけども嬉しいよ。」 すると、リフィアが前に出て来た。 「リフィア、いや、今はリフィア王女と言うべきか?」 『分かってて言ってますよね?』 少しいじけた表情を浮かべるリフィアに晃は笑みを浮かべる。 「ローレンガルドの状況は大体分かっているよ。今はそう言う時期なんだ無理しなくていい。」 晃がそう言うとリフィアは僅かに目を見開いてから申し訳なさそうな表情でコクリと頷いた。 『相変わらずですね。晃は・・・』 「人間簡単には変わらないさ。」 『はい、ですが。女王になって色々な人を見るようになって分かるようになった事もあります。晃も強くなったのですね。私達が届かない場所まで。』 「そう、かもな」 晃は琥珀の瞳から巫女の瞳へと変化させると蒼い瞳に螺旋状に伸びる白い紋様が浮かび上がった。 この瞳に覚醒してから魔力の回復量、身体的疲労の回復が早くなった。その為、大量の魔力に身体的な疲労を受けたとしても以前の半分で回復するのだ。 これが三螺旋の瞳に目覚めた事による変化だ。それ以上に魔力量と共に晃自身が扱える真覇、真鏡、真武の能力も向上している。
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