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「そっ、そうだったんですか!」
何も気にしてないふりをして、わざと明るい声を出した。
そうだ、下手なことは…「私、あなたの彼氏の元カノです。」なんてことは、口が裂けても言ってはいけない。
全てを隠し通して、二度と目の前の彼女と関わらなければいいだけだ。
「初めまして、今宮瑠璃です。大森くんとは同じ小学校でした。」
私の言葉を聞いて、彼女は…桜さんは、ぱあっと顔を輝かせた。
「そうなんだ!あっ、私のことは桜って呼んで!私と奏人は同学年だから、あなたとも同い年だよね?」
「そうなりま…なるね。うん。」
急に饒舌になった桜さんに、なんとなく腰が引けてしまう。
人懐っこくてちょっと苦手かも。
そんな私をよそに、桜さんは嬉しそうに顔をほころばせている。
「私、こっちに来てからまだ友達がいなくて…。瑠璃ちゃん、よかったら仲良くしてください!」
今宮瑠璃、23歳(独身、彼氏ナシ)。
元彼の今カノとお友達になってしまいました。
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