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「卒業、しちゃったね。」
「ん、そうだな。」
小学校最後の日も、私は奏人と並んで歩いていた。
この帰り道も、今日で最後。
たまに寄り道したり競走しながら帰ったのはつい最近の事なのに、懐かしくてどこか切ない。
卒業式だから、そう感じるのかな?
「瑠璃、どうした?あっ、もしかして泣きそうなんだー?」
「なっ、泣かないし!式でも泣かなかったし!」
からかうように笑う奏人に、意地を張ってしまう。
君とこうやって笑い合う時間がこれからも続くのか不安で、泣きたいくせに。
「ふーん、泣きたいなら泣けばいいのに。いいじゃん、俺以外誰もいないし。」
私の心を見透かしたかの言葉に、もう堪えきれない。
ポロッと涙が1滴零れた。
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