もしも願いがかニャうなら

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「お前の願い、何か一つだけかニャえてあげるニャ!」 俺の名前は、三好 優太(みよし ゆうた)。 どこにでもいるありふれた高校一年生だ。 目の前で当たり前のようにしゃべっているのは、 俺の記憶が確かならば、昨日けがをして俺が助けたはずの猫。 昨日は学校で期末テストだった。 朝、登校中に、道端で足から血を流して倒れている猫を 偶然見つけてしまったのだ。 猫好きの俺としては、テストよりも猫。 黙って見過ごせるはずもなく、 ユーターンして近くの動物病院へ駆け込んだのだった。 幸いにもこいつの怪我は軽傷で、手当をしてもらって、 そのまま俺の家に引き取ることになった。 なんだかんだで時間をくって、 昼過ぎに学校に行った時には、先生に大目玉。 「お前、もっとまともなウソをつけ!」 皆の前でそう怒られて。 一番前の席の憧れの彼女からは、 冷ややかな視線とともに、 「・・・サイテー!」とのつぶやきまでもらう始末。 そんな最悪な結果だったはずなのだが・・・。
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