短編小説~親友~

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高校2年の夏。7月中旬。 校門前。 結衣「あ、健!」 健「お、結衣、久しぶり!」 結衣「…もう大丈夫なの?」 健「ああ、もうすっかり良くなったよ」 健に少し小走りで近づき、約ひと月程休んでた健の心配をする結衣に、健は特に何事もなかった様な晴々とした笑顔で答える。 結衣「そっ…か」 健の笑顔を見て安堵したのか、少し言葉を詰まらせ気味になる。 健「あ、もうチャイムが鳴るぞ?早く行こうぜ!」 結衣「あっ、待ってよ!」 二人は校門前から自分の教室。2年C組に向かう。 教室前。廊下。 悟「健、結衣、お前らギリギリだなぁ」 健「悟!お前なんで先行くんだよ。いつも待っててくれてただろ!?」 結衣「………!」 悟「お前を待ってたら遅刻しちゃうって」 健「いやいや、俺も間に合ってるから、遅刻したことないからな?」 悟「時間ギリギリでよく言うよ」 健と悟、そして結衣は小学校から一緒にいて、家も近いと言うことから今までもずっと遊んできた仲。三人は誰から見ても仲良しで、本当の意味での親友だ。 健「ん?結衣どうした?」 結衣「え?…あ、ううん。なんでもない!今日あまり寝てなくてさ。とても眠たい…」 健「お前、真面目なのにそういうとこあるよな?睡眠欲高いくせに夜中まで起きてるし」 結衣「使用がないでしょ?私は復習とか課題とかやった後で、音楽とかダンスの練習とかしたいんだから」 結衣は音楽は好きだが楽器を扱うのが上手くいかなかった為、体を動かすダンスを趣味としている。小学校の頃から体を動かすのが好きで、健と悟といった男子に混じってサッカーなどをしていたくらいだ。
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