短編小説~親友~

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悟「結衣もお前に付き合ってたら体調崩すわ」 健「いつも三人で遊んでるだろうが!お前も同罪だ!」 悟「はいはい。いいから教室行くぞ」 健「ちぇ、なんだよ良い子ぶりやがって…な?結衣」 結衣「………え!?う、うん。そうだね」 健のぼやきに咄嗟に反応できず、微妙な笑顔を見せる結衣。 健「…どうした?やっぱり元気ないぞ?」 結衣「大丈夫だってば!ほら、チャイム鳴ったよ!」 結衣は「何か」を振り払うように首を振った。それは自然に、他の人から見たらなんの違和感のない動作に見えるだろう。 そして、二人はいつもの教室に向かった。 教室。1時限目。 結衣「……………」 1時限目の授業。数学。 結衣は成績優秀で、家に帰ってまずやることと言えば、その日に習った授業の復習だ。特に勉強が好きだと言う訳ではないが、なんとなくやらないと落ち着かない性格なのだ。 他人から見たら真面目。結衣からしたら心配性だと思っている。 そんな勉強をしないと落ち着かない心配性な結衣が、この時間。この授業では、終始うつむいてる。 先生「どうした。気分でも悪いのか?」 普段真面目な結衣だ。こんな些細な行動でも教師は気付く。 結衣「あ、いえ……………はい…。保健室に行ってきてもいいですか…?」 最初は否定。咄嗟に否定した。しかし、先程振り払った「何か」が、また結衣の頭の中でぐるぐる回る。 先生「一人で大丈夫か?」 結衣「大丈夫です。少し休んできます…」 心配する教師の言葉を丁寧に断り、一人で教室を出ていく。 健「…………………」
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