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「死んでください」
「え……そんなこと言われても……」
「死んでください。このゴミクズが」
「ゴミってお前……」
「ゴミクズ風情がお前呼ばわりですか? 気持ち悪い。死んでください」
「…………」
「なあに? とうとう屁理屈も尽きたの? 情けないわね。早く死んでください」
「…………」
「そう。なら徹底的に言ってあげましょう。貴方に生きる資格はない。存在自体が犯罪です。世界平和のためにも一刻も早く死んで――」
そして、チリンとベルが鳴った。
「……時間みたいね。で、延長はどうするの? とりあえず死ね」
「あ、今日はこれで」
「わかったわ。また来ないと殺すから」
男は満足した表情で席を立った。
その背中を見送りながら彼女はひとりごちる。
「あのお客さん、素敵だな。また来てくれたら嬉しいな……」
……これは、純粋な恋の始まりの話。
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