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「此方こそありがとう、僕のところにお嫁に来てくれて…」
そう言って私を抱きしめた。
翌日の朝は早く起きた。
彼女に食べさせたくて、食べ頃のバラのジャムを探す。
朝御飯を食べに来たらトーストに乗せて食べて貰おう。
きっと喜んでくれる。
ついでにバラのお茶と和三盆も用意して食堂に向かった。
「ねえあなたも食べてみて」
そう言って彼にもトーストを頼む。
「たまにはパンも良いね」
そう言って食べてくれる。
優しい夫に胸がときめいた。
直に息子達が食卓についた。
でも御飯が運ばれて来た。
「あら御飯なの?」
そう言うと息子がどうしてと聞く。
「せっかく沙羅さんに食べさせたくてバラのジャムを用意したのに」
そう言うと早く言ってと言う。
思わず浩人の方を見る。
彼が私を庇って息子を諭している。
私が寂しく思った時だ、彼女がバラのジャムを食べたいと言った。
本当に可愛らしい。
私は彼女が可愛いくて堪らなくなった。
本当に女の子は可愛い。
男の子はつまらない。
大きくなったら母親何て煩いだけと思っているのだろう。
小さい時には私が一番好きと言って笑ったのに・・
でも、もしかしたら私達の夫婦喧嘩のせいかも知れない。
そう思いながら息子達を見た。
彼女の両親も離婚したと言っていた。
部屋に戻って浩人に頼む。
「早く私達の離婚が無かった事ゆうに話して」
「ああ、分かってる。
タイミングがなかなか会わなくてな・・
でもできるだけ早く話すよ」
「私達のせいであの子が結婚しないなら大変だわ。
それにあの彼女なら、きっとゆうが幸せになれるわ」
「余程気に入ったんだね。
まあ僕も良い娘だとは思うが」
「ゆうはおおざっぱな所が有るの。
私達にはさして気になる事ではないけど、若い女性には冷たく感じるのよ。
でもあの子はそれを気にしてない。
正直にゆうに接してる」
「そうだな、お互い足りないところを補う方が相手に信頼を持てる」
「ねえ、あなたには足りないところ何て無いけど、私はいっぱい有るのに、疲れたりしないの?」
少し心配になってそう聞く。
「僕だって足りないところだらけだよ。
君が気が付かないだけだ」
「あら、そう?」
「僕は君のそう言うところが大好きで結婚したんだ」
「えっ?」
「良いんだ、解らなくて」
浩人は笑いながら私を抱きしめた。
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