別れ話は突然に

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「生でいい?」 「うん」 呼び出しボタンを押し、店員を呼ぶ健人 彼の前には生ビールとお通し、枝豆が置かれている 「すみません、生一つ。あとは───、何か食べる?」 「あ、生春巻きと大根サラダ」 注文を取りに来た店員に、メニューを見ることもなく頼むあたし達 それだけこのお店に通っている証拠だ 「お待たせしました、生ビールです」 ビールとお通しをあたしの前に並べると、あっという間に退散していった その店員を奴が呼び止める メニューを見て、何やら注文しているらしい 「───聞いてる?」 「えっ?」 眉を八の字にしてあたしの視界に入ってきた健人 隣が気になって、何も聞いていなかった
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