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今日カウンターじゃないのは、店員に話を聞かれたくなかったから?
だけど、運悪く隣には副社長の息子が居る
もしこの話が聞こえていたら最悪だ
「あたしにだって、考える時間くれてもいいでしょ?」
結婚に憧れがないわけではない
ただ、自分の両親を見ていたら『結婚』というものに躊躇してしまうのも事実
「俺と結婚するかしないのか、考えないと答えが出ないのか?それって、俺と結婚しない選択肢があるってことだろ」
「ちょ───」
「もういい。お前とは別れる」
は?
「今まで俺に付き合わせて悪かったな。それじゃ」
それだけ言うと、テーブルの上に食べかけの食事を残して席を立つ
振り返ることもなく立ち去る健人の後ろ姿を、ただボーッと眺めていることしか出来なかった
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