一途過ぎる愛

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「っていうか、今何時?」 「ん?11時」 11時… そっか… じゅういち………え? 「11時?!」 絡まる手を押しのけ、勢いよく体を起こした 「会社!」 「休むって連絡入れてるから大丈夫だって」 「柳生くんが大丈夫でも、あたしが大丈夫じゃない!あたし連絡してないし」 再び腰に絡んでくる両手 ぐいと引っ張られ、彼に抱き留められる 「千景のこともちゃんと伝えといた。だから大丈夫だって言っただろ?それよりも───」 くるりと反転し、彼が体を起こした 「なぁ。『柳生くん』って、何?俺、達樹って呼んでって言わなかったっけ?」 「え…あ、うん。それは分かってるけど、条件反射というか…」 考えるよりも先に彼の苗字を呼んでいるんだから仕方がない
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