一途過ぎる愛

6/30
前へ
/299ページ
次へ
「怒って…ない…」 『怒ってる』と言おうとしたのに 彼を見ていると口ごもってしまった そんな忠犬みたいな顔で見られたら 許すしかないじゃない パッと明るい表情になり、嬉しそうにする彼 手の甲を包み込み、指先を絡めてくる 「千ー景」 すぐ傍に熱を感じて顔を上げると 至近距離まで近付いていた彼の唇が あたしのおでこにキスを落とした 両手を回し、力強く抱き締められる ガッチリ押さえ込まれているので身動きが取れない 仕方なく彼の胸に頭を預けた 「可愛い」 耳に口を押し付けながら囁かれ ビクリと体が反応する 「どれだけ抱いても全然足りねー」 「…しないわよ」 また襲われるのかと、思わず身構えた
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3232人が本棚に入れています
本棚に追加