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「怒って…ない…」
『怒ってる』と言おうとしたのに
彼を見ていると口ごもってしまった
そんな忠犬みたいな顔で見られたら
許すしかないじゃない
パッと明るい表情になり、嬉しそうにする彼
手の甲を包み込み、指先を絡めてくる
「千ー景」
すぐ傍に熱を感じて顔を上げると
至近距離まで近付いていた彼の唇が
あたしのおでこにキスを落とした
両手を回し、力強く抱き締められる
ガッチリ押さえ込まれているので身動きが取れない
仕方なく彼の胸に頭を預けた
「可愛い」
耳に口を押し付けながら囁かれ
ビクリと体が反応する
「どれだけ抱いても全然足りねー」
「…しないわよ」
また襲われるのかと、思わず身構えた
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