一途過ぎる愛

7/30
前へ
/299ページ
次へ
「我慢する」 我慢って… どこにそんな体力があるんだ とは思うけれど、聞くに聞けない 「千景」 「………何?」 「好き」 あたしを抱く両手に力がこもる 「千景」 「何?」 「好き?」 なぜに疑問形? 「俺のこと好き?」 答えずにいたら、同じことを繰り返し聞かれた 「好きだよ」 ポソリと呟くと、より一層強く抱き締められ 頭に頬をグリグリ擦り付けてくる 「千景」 顎に手を添えて上向かされ おでこ、目尻、耳たぶ、唇と順に軽いキスを落とされた 「愛してる」 仕事ができて、飄々とした雰囲気があって そこら辺の女にはなびかない クールなイメージがあった彼が─── 何だろう 何だかとってもくすぐったい
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3232人が本棚に入れています
本棚に追加