一途過ぎる愛

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あ… そういえば 「あれからお義父さんとお母さんに会った?」 昨日の夜、気まずい展開を迎えて以降 顔を合わせていない 「朝、俺が起きた時にはもう二人とも居なかったから、顔は合わせてない………けど…」 けど? 彼の言葉の続きが気になり顔を上げると 下唇を突き出しておどけた表情をした 「親父からラインは来てた」 「何て?」 「『気持ちは分かるけど、家ではほどほどにな』だってさ」 え、どういうこと? 「千景の声、下まで聞こえてたみたい」 いやあああああ───!! 体中から血の気が引いていく 今、あたしはきっとムンクの『叫び』と同じような顔になっているはずだ 「だから俺言っただろ?我慢しないと、下まで聞こえるって」 そう言ってニヤリと笑った
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