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「アンタが手どけたりするからじゃん!ばかっ!」
恥ずかしさとショックで
彼の胸を叩いて抗議しようと
腕の中でもがいて抵抗する
「それは関係ないって。だって俺、千景の声聞いて止まんなくなったんだし」
「もー、やだっ!もう絶対しないからっ!」
「えーっ」
びくともしないので、頭を勢いよく彼の胸に打ち付けた
まさか、さり気なく指摘されるなんて…
どうやって顔を合わせればいいの?
困ったように微笑むお義父さんの姿を想像する
きっとその話題に触れてくることはないだろう
けれど、あたし達がしたことは確実に知っているわけで───
大声で叫んでしまいたい…
「千景」
「やだ」
首を傾けてキスを求めてくるので
プイと顔を反らす
「千景ー」
「嫌い」
もう一度、勢いよく彼の胸に頭を打ち付けた
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