一途過ぎる愛

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「や…」 ドアのところに立つあたしの目の前までやってきたため 無意識に身構えた    「この前もそうだったよな」 「え?」 声が上擦る 「ここまでしないと、会って話すことさえできないのか?」 「それは…」 最初に一方的な別れを告げたのは健人の方だ それに、この前の騒ぎを考えると話をするという状態ではない 「俺は、また今度ゆっくり話をしようって…。ちゃんと伝えただろ?」 「あたしは話すことなんて何もない」 「何でだよ!俺達、結婚するんだろ!」 結婚? 何を言ってるの、この人… こんなに思い込みの激しい人だっただろうか 手首を掴まれ、かすれた悲鳴が喉の奥で鳴った 「失礼いたします」 背後でドアがノックされ、こちら側に開く すぐにあたしの背中に当たり、古賀さんが不思議そうな表情で顔を覗かせた
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