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「今後彼女に近付かないって言うなら、無罪放免にしてあげるけど?」
そう言ってドアを大きく開放すると
スッと横にずれ、外に出るよう促す
「………」
健人が立ち上がり、あたしに背中を向けた
「もしかして疑ってる?別に何もないから、出て行くならどうぞ」
ニッコリ微笑む課長
その言葉に促されるように
ゆっくり一歩ずつドアへと歩いていく
「課長っ!」
もう少しで部屋の外に出る、というところまできて
突然健人が課長に向かって突進した
「そう来るのか。でも、残念だったね」
襟首に伸ばされた手を手の甲で軽く弾くと
そのまま健人の服を掴み
豪快に背負い投げて彼を床に叩きつける
「僕、これでも柔道の有段者だから。───最後通告だよ?怪我したくなかったら、さっさと消えろ」
敵わないと思ったのか、ヨロヨロ立ち上がると
覚束無い足取りで部屋を後にした
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