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「大丈夫、気にしてない」
「大丈夫って…。強姦されそうになったんだぞ!?」
「中学の時も、先生から同じようなことされたから…」
途端に彼の表情が曇る
「…それって…」
「心配しないで。未遂だよ」
随分昔のことなのに
もうどうでもいいはずなのに
心のどこかでは、まだちゃんと消化しきれていなかったらしい
「あたしって、そういうの引き寄せる人間なのかもね」
今まで誰にも話したことのないあたしの過去
口にした途端
魚の骨が喉に引っ掛かっていつまでも取れないような
そんなチクチクした痛みが
乾いた笑いと共に込み上げてきた
「…千景」
ドアの前に居た彼があたしの傍に寄ってきて
そっと頬に手を伸ばす
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