一途過ぎる愛

27/30
前へ
/299ページ
次へ
「俺は怖い?」 「何言ってんの。怖いわけないじゃん」 そう答えると、彼の指があたしの頬に触れた 壊れ物でも触るような優しい触れ方に 甘い痺れが背中を駆け抜けていく 「ずっと…ツラい想いを抱えて生きてきたのか?」 「………どうだろ…。でも、人は信用できなかったかも。男も女も、子供も大人も…。親なんか…特にね」 そうだ 人に素直に向き合えなくなったのは 親の背中を見て育ったから 自分は何のために生まれてきたのか 愛することや愛されることが何なのか 何も知らないまま大きくなった 「ねぇ…。愛って何?異性と結婚することが愛?強姦しようとするのも愛の一つなの?」 「…千景は俺のこと、どう思う?」 質問に質問で返される
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3232人が本棚に入れています
本棚に追加