別れ話は突然に

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「へぇ───。柳生くんとペアになりたい人、たくさん居るだろうね」 「嫌よ、あんな奴」 ちゃんと顔を見たのは、新卒で採用された時の研修以来だ それなのに、何でこんなにイライラするんだろう 『上町(うえまち)支店から異動してきました、柳生達樹です。色々至らない点もあるかと思いますが、ご指導のほどよろしくお願い致します』 「ただ自己紹介しただけじゃない」 今朝の出来事を思い出し、またイライラが込み上げてくる 「何かあったの?」 「朝礼の時に黄色い歓声浴びてた」 満更でもない顔しちゃってさ 「さすが…色男」 はしゃぐ方もはしゃぐ方よ 「ここは会社だっての!あんな男、どこがいいのよ」 「………千景、あんまり大きな声で言わない方がいいって。営業課の女子社員…、んーん。会社中の女子から目の敵にされるよ」 パスタを巻く手を止め、愛莉が頭を振った
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