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「午後イチで現場に出るから、昼休みが終わるまでに社用車の使用手続き済ませといて」
「は?」
何であたし?
「じゃ、よろしく」
いつの間に食べ終えたのか
空になった器をトレーに載せ、あたし達の前からさっさと消えてしまった
「何よ、アイツ…」
反論………する暇もなかった
「千景、これから毎日ああやって一緒に仕事するんだね」
奴が立ち去った方向を見ていると、愛莉がポツリと呟く
彼女に視線を移すと、半分魂が抜けたような表情であたしと同じ方向に向いていた
「代わろうか?」
「んーん、いい」
「彼氏怒るよ」
「分かってる。柳生くんは目の保養」
彼氏とラブラブの愛莉
心配するほどでもなかった
「………さてと…」
少しだけ残っていたおかずを急いで食べ、立ち上がる
「戻るの?」
「まーね」
アイツの言うことは聞きたくないけれど、仕事しないわけにはいかない
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