第1章

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サム「なかなかの想像力を持っているじゃないか。だから、恐れたんだな。さ っきのことを。でも、それはやはり、『何でもできる存在』しか無理だな」 陽介「何でもできる存在?」 サム「君と居て楽しかったよ。また、どこかで会おう」 陽介「えっ?」 サム「そろそろ、時間だ」    サムの体が消えていく。    そして、陽介の体も消えていく。 ○駅・ホーム(夜)    12時間前に、座っていたベンチに、陽介の体が現れる。    隣には、クマが座っている。 クマ「やあ、おかえり」 陽介「なっ、なんだよ。このタイミングは…父さんは?エリーは?」 クマ「さあ、私にはわからないことだ」 陽介「どうにかしなきゃ。このままじゃ……」 クマ「君はもう、その方法を半分知っているだろう。『何でもできる存在』に会 えるようになればいいのだよ」 陽介「………あっ。でも、どうやって……」 駅のホームには、電車が塔のように立っている。 陽介「こんなことが起きていて、どうやって新聞の一面なんかとれるんだよ っ!」 ○街に散乱する新聞    「世界崩壊」「死人生き返る」等の衝撃的な見出しの新聞が散乱している。    コンビニや商店に人の姿はなく、時折ミサイルが飛んでくる。    誰もいない電気店のテレビで、世界各国の政府が想像を刺激する映画、    マンガ、本などあらゆるものを回収している様子を報道している。 ○漫画家の住むマンション    宝物の漫画を隠している漫画家。    そこに政府関係者が入ってくる。 漫画家A「なっ、なんだ君たちは」 政府関係者A「ご同行願います」    隠していた漫画はあっさり見つかり回収される。    すると、その回収していた政府関係者が石になる。 政府関係者A「やりやがった。早く眠らせるんだ」    目を閉じ、想像しようとする漫画家A。    麻酔銃で撃つ政府関係者C。 ○マンションの前に止められた車    漫画家Aがワゴン車に乗せられる。    他の漫画家や小説家、画家、演出家も乗っていて、全員眠らされている。 ○総理官邸    総理大臣の前に集められた12名の芸術家たち。 総理大臣「事態は一刻を争う。あなたたちの想像力を、防波堤として使いたい」 漫画家A「そんな、責任、重いって」    総理大臣が石化していく。 画家D「なにを、したんだ」 漫画家A「俺じゃないさ」    芸術家たちはお互いを疑心暗鬼の目で見る。
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