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サム「なかなかの想像力を持っているじゃないか。だから、恐れたんだな。さ
っきのことを。でも、それはやはり、『何でもできる存在』しか無理だな」
陽介「何でもできる存在?」
サム「君と居て楽しかったよ。また、どこかで会おう」
陽介「えっ?」
サム「そろそろ、時間だ」
サムの体が消えていく。
そして、陽介の体も消えていく。
○駅・ホーム(夜)
12時間前に、座っていたベンチに、陽介の体が現れる。
隣には、クマが座っている。
クマ「やあ、おかえり」
陽介「なっ、なんだよ。このタイミングは…父さんは?エリーは?」
クマ「さあ、私にはわからないことだ」
陽介「どうにかしなきゃ。このままじゃ……」
クマ「君はもう、その方法を半分知っているだろう。『何でもできる存在』に会
えるようになればいいのだよ」
陽介「………あっ。でも、どうやって……」
駅のホームには、電車が塔のように立っている。
陽介「こんなことが起きていて、どうやって新聞の一面なんかとれるんだよ
っ!」
○街に散乱する新聞
「世界崩壊」「死人生き返る」等の衝撃的な見出しの新聞が散乱している。
コンビニや商店に人の姿はなく、時折ミサイルが飛んでくる。
誰もいない電気店のテレビで、世界各国の政府が想像を刺激する映画、
マンガ、本などあらゆるものを回収している様子を報道している。
○漫画家の住むマンション
宝物の漫画を隠している漫画家。
そこに政府関係者が入ってくる。
漫画家A「なっ、なんだ君たちは」
政府関係者A「ご同行願います」
隠していた漫画はあっさり見つかり回収される。
すると、その回収していた政府関係者が石になる。
政府関係者A「やりやがった。早く眠らせるんだ」
目を閉じ、想像しようとする漫画家A。
麻酔銃で撃つ政府関係者C。
○マンションの前に止められた車
漫画家Aがワゴン車に乗せられる。
他の漫画家や小説家、画家、演出家も乗っていて、全員眠らされている。
○総理官邸
総理大臣の前に集められた12名の芸術家たち。
総理大臣「事態は一刻を争う。あなたたちの想像力を、防波堤として使いたい」
漫画家A「そんな、責任、重いって」
総理大臣が石化していく。
画家D「なにを、したんだ」
漫画家A「俺じゃないさ」
芸術家たちはお互いを疑心暗鬼の目で見る。
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