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そして次の瞬間、画家Bが燃えだしたり、小説家Aがコンクリートの
壁を突き破って、飛んで行ったり、お互いに攻撃を始める。
すると、石化した総理大臣が、ゆっくり元に戻る。
総理大臣「無防備にあなたたちをここへ呼んだと思いますか?」
画家Bの火も消え、傷が癒える。
飛んでいった小説家Aも戻ってくる。
総理大臣「最高のボディーガードがここにはいます。妙なことは考えずに、お
願いします。現代を熟知している、あなたたちのお力を貸してください」
膝をついて、頭を下げる総理大臣。
側近たちも総理を止めるのではなく、同じように膝をつき、頭を下げる。
漫画家C「………」
尋常な事態ではないことを悟る芸術家たち。
○渋谷
朝になったり、夜になったり、雨が降ったり、雪が降ったり、魚も降っ
てきたりで、一向に安定しない天気。
行き交う人々は皆、若く、容姿端麗で同じように見える。
カメラを持った陽介とクマが歩いてくる。
陽介「なにか、スクープしないと……」
クマ「君は何で、姿を変えないんだい?」
陽介「別に……」
クマ「案外、ナルシストなんだな」
陽介「そっ、そんなんじゃないさ。ただ……。もう関係ないだろ、そんなこと。
それよりスクープ、スクープ」
クマ「自分では一面になるようなことができないからって、人の事件を奪おう
とするとはね…」
陽介「いいだろ。誰かが取材しなきゃ、一面にならないんだから」
クマ「まあ、おまけだな」
すると、道玄坂のラブホテル街の方から爆発が起こる。
震える陽介。
陽介「……行かなきゃ」
恐怖を抑え、走り出す陽介。
ぴょんぴょん跳ねるようについていくクマ。
○ラブホテル
眠りから覚めた男女たちは、油断して本来の容姿に戻っている。
老人の男性と太っている中年女性。
× × ×
頭の薄い中年男性と老婆。
× × ×
少年と女装しているオカマ。
× × ×
全員揃って「だましたな!」
ホテルの外壁は爆発で吹っ飛び、偽りの自分を演じていた老人男性、中
年女性、中年男性、老婆、少年、オカマをはじめ、30組くらいのカッ
プルが戦い始める。ある者は、腕をマシンガンに変え、ある者は雷を落
とし、ある者は機械を身にまとい、ただただ争う。
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