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駆け付ける陽介。カメラをかまえる。
陽介「……なんで(涙が出てくる)」
カメラを降ろす陽介。
目を閉じ、集中する。
陽介の心の声『やめろ。やめるんだ。もう……』
ラブホテルは病院へと変わり、空から麻酔入りの注射器が何本も降って
きて、争っていた老人や少年に刺さる。
地上に落ち、倒れ込む人々。
陽介は一人ひとり抱きかかえ、病院へ運び、ベッドに寝かせる。
窓を開け、外を見る。
至る所から聞こえる爆音。
× × ×
公平党と無限党が国会議事堂の前で戦っている。
百メートルを超える超大型スピーカーで叫ぶ者。
公平党A「絶対に、正義は負けない」
すぐさま、全員が鋼鉄のヘッドホンを付ける無限党。
無限党A「それはこっちのセリフだ」
× × ×
各々がイメージするイエス・キリストになって誰が本物かで争っている。
自称イエスA「私が本物だ」
トゲだらけの茨を無数に延ばし、相手を攻撃する。
自称イエスB「黙れ、偽物めが!」
空から巨大な聖書が落下してきて、自称イエスAに当たり、そのまま地
面まで落ちる。
自称イエスC「偽った当然の罰だ」
自称イエスD「そういうお前こそ……」
自称イエスDが、無数の杭を自称イエスCに向かって放つ。
自称イエスCは地上に落下していた巨大な聖書を盾にして、杭を受け止める。
自称イエスB「おのれ、聖なる書物を盾に使うなど、絶対に許せぬ」
自称イエスA「(傷だらけで立ち上がり)なにを、お前こそ、これで攻撃をした
ではないか!」
すると、叫び声がして、先ほどの杭が、老人の腹部に刺さっている。
自称イエスC「お前のせいだ、お前が避けたりするから」
自称イエスD「お前のイメージだろうが」
罵り合う自称イエスたち。
老人を介護していた女性の怒りが頂点に達し、
怒る女性「いいかげんにしなさい」
激しい雷が自称イエスたちに落ちる。
地面に倒れ込み、太った中年男性、ホームレス、神父、医者の元の姿に戻る。
女性は精神を集中させ、老人の傷が治るイメージをする。
傷が治った老人。でも、目から大粒の涙がこぼれる。
× × ×
喫煙家と非喫煙者が争っている。
非喫煙者A「そんなに吸いたければ、たっぷり吸えよ」
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