第1章

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非喫煙者Aは手を前に出し、攻撃を仕掛ける。 喫煙家達の煙が、空に消えず、ぐるぐると回る。 喫煙家A「なんだ、この煙は。お前の煙だろ」 喫煙家B「ちがうわい、わしのはもっと甘い香りじゃ」 喫煙家C「何が甘い香りだ。吐き気がする」 喫煙家B「なんじゃと」    喫煙家同士が揉め出す。 喫煙家B「お主こそ、メンソールなんぞ、吸いよって、それでも男か」 喫煙家C「このスッキリさがわかんないのかよ、じじい」    お互いに煙を増幅して、相手に竜巻のようにかける。 喫煙家B「メンソールなんぞ間違っている」 喫煙家C「こんな甘ったるいの、たばこじゃねえ」    そこへ、防衛隊の車が到着する。 漫画家A「今すぐ、争いを止めなさい」 喫煙家A「邪魔者は引っ込んどけよ」    煙の竜巻を防衛隊に向けて放つ喫煙家A。    防衛隊の車から強大な吸引気が出て、煙を吸い込む。 小説家A「話してわからないなら…」    巨大な鎖で喫煙家たちをぐるぐる巻きにする小説家A。    動けなくて苦しそうな喫煙家たち。 喫煙家C「お前、たばこ臭いよ。くっつくなよ」 喫煙家A・B「お前に言われたくないんだよ」    あきれ顔の防衛隊たち。    ×      ×     ×    至る所から聞こえる爆発音。 陽介「戦っているんだね……」 クマ「そうさ。正義は絶対に負けないのだよ」 陽介「戦っているのは……正義対正義」 クマ「何を今さら。戦争なんてのは、そういうものさ。そして今、人類総ゲ ンカ。それが今の地球の姿だ」 ○陽介の実家    所々、金箔で塗られ、豪華になっている。    明生、エリー、ナンテコッタがやって来る。 明生「(我が家を懐かしそうに見て)見栄張はりおって……」 エリー「ここが、陽介の家……」    チャイムを押す、ナンテコッタ前田。 佳苗の声「(インターホンから聞こえる)新聞なら、いらんで。って新聞はもう 出てないか」 ナンテコッタ後藤「こんちは。ナンテコッタ後藤です。ちょいと遊びに来まし た」 ドッドッド、と走ってくる音がして、勢いよく玄関のドアが開く。 ナンテコッタの二人を見るなり、抱きついて喜ぶ佳苗。 佳苗「ほんもんや。なんで、また家に。」 明生「(咳払いする)」 佳苗「(驚いて声が出ない)………」 ×     ×     ×    居間に座っている明生とエリーとナンテコッタ。
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