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台所では佳苗が嬉しそうにお茶を入れている。
明生の声「母さん。いつものあるかな」
佳苗「はい、今、入れてますよ」
明生の声「いや、自分で注ぐから、はよう、くれな」
佳苗「えっ?」
台所に入って来る明生。
明生「せっかく、生き返ったんじゃ。いつまでここにおれるかわからんし、飲
まんと損じゃろ」
明生、冷蔵庫を開け、瓶ビールを取る。
明生「これ、これ。ビールはこれにかぎる」
佳苗「まったく、あんたらしいわ」
明生「(コップを取って居間に戻ろうとして)ずっと、冷やしていてくれたんや
な。ありがとうな。佳苗」
佳苗「なにを、あんたらしくもない。さっさと飲まんね。いつまでおれるかわ
からんのやろ」
明生「そやそや、飲もう、飲もう」
居間に入る明生。
佳苗「(こらえていた涙がこぼれる)こっちこそ、ありがとうや」
× × ×
陽介のアルバムを見ながら、お酒を飲み交わし、盛り上がる一同。
佳苗「ほんま、テレビも放送せんし、家の中、静かやったのに、急に賑やかに
なって」
明生「テレビなんて、なければないでいいやないか」
ナンテコッタ前田「おかげで俺らの仕事は激減やけどな」
ナンテコッタ後藤「営業ばっかやで」
エリー「営業って、なんですか?」
ナンテコッタ前田「営業っちゅうのはな……」
ナンテコッタ前田が説明しようとすると、携帯電話が鳴る。
ナンテコッタ前田「はい。(相手の声を聞いて)ああ、また営業ですか?いいで
すよ、ちょっと遠いけど、行きますわ」
ナンテコッタ後藤「営業入ったんか?」
ナンテコッタ前田「例のあそこや。前回の評判がよくて、また来てほしいらし
いわ」
ナンテコッタ後藤「やっぱこれからは営業やな」
窓の外の星を見上げるナンテコッタの二人。
○小学校・校門
和久、康太、陸がやってくる。
そして、小学校の前で並んで立つ。
近くにミサイルが飛んできて、少し怯むが、しっかり立ち続ける。
和久「きっと、できる!」
康太・陸「うん、できる!」
○空港・搭乗口
エレベーターに乗るナンテコッタの二人。秘密のボタンを押す。
ナンテコッタ後藤「あったま痛いわー。さすがに飲みすぎたな」
ナンテコッタ前田「なんやお前、二日酔いがスッキリするように想像してない
のか?俺はとっくに治ったで」
ナンテコッタ後藤「アホか。二日酔いから逃げて酒なんか飲めるか」
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