第1章

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ナンテコッタ前田「それはそれは素敵な美学をお持ちのようで」 ナンテコッタ後藤「せっかくの二日酔いをもったいない……はよ着かんかな。 エレベーター乗ったらまた気持ち悪くなってきたで」 ○空港地下・スペースポート    宇宙船はとても小さく、掃除機くらいの大きさ。    吸引ノズルで乗客を吸い込み、宇宙船に搭乗する。 ナンテコッタ前田「これ、ちょっと痛くて苦手やな」 ナンテコッタ後藤「そうやな。慣れへんな」    ナンテコッタの二人も宇宙船に乗る。    小さくなった二人が窓から、搭乗手続きを行っている乗務員のスカート    を覗きこもうとする。    乗務員の大きな顔が窓の外に現れ、睨まれる。    窓のカーテンを閉めるナンテコッタ前田。    乗客の搭乗が終わると、宇宙船は光を発し、光速で目的地の惑星へ向かう。 ○花の惑星・スペースポート    空にも、海にも花が咲いている。    宇宙船は花弁の上に着陸する。    ちょっと疲れた様子で降りてくるナンテコッタの二人を、サムが出迎える。 サム「よく来てくれたね」 ナンテコッタ前田「それは、サムさんからの依頼やもん。なあ(後藤を見る)」 ナンテコッタ後藤「そやそや。初めて依頼受けて、あまりの衝撃にネタができ ずに困っていた俺たちを助けてくれたのはサムさんやもんな。自宅に招待し てくれて、リラックスさせてくれて」 ナンテコッタ前田「それで、宇宙デビューできたんやから、ほんまに感謝して ます」 サム「いや、君たちのおもしろさを宇宙中に知ってほしくて、当然のことをし たまでさ。今日も頼むよ」 ナンテコッタ前田「しっかり新ネタ考えてきましから」 ナンテコッタ後藤「まかせてくださいな」 イスの形をした動く花がやって来て、サムとナンテコッタの二人は、そ れに乗って移動する。 ○花の惑星・演芸場    花の椅子に座り、舞台も大きな花弁。    スポットライトも光を放つ花で、マイクも声が響く花。    客席は花の惑星の住人たちで満席。    花のマイクを着けたサムが出てくる。 サム「それでは、本日のスペシャルゲスト、はるばる地球からやってきた笑い のアーティスト、ナンテコッタのお二人です。どうぞ」    サムに紹介され、舞台に登場するナンテコッタの二人。 ナンテコッタ前田「どうも、地球のバラ、私、前田と地球の押し花、後藤です」
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