2人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
ナンテコッタ前田「それはそれは素敵な美学をお持ちのようで」
ナンテコッタ後藤「せっかくの二日酔いをもったいない……はよ着かんかな。
エレベーター乗ったらまた気持ち悪くなってきたで」
○空港地下・スペースポート
宇宙船はとても小さく、掃除機くらいの大きさ。
吸引ノズルで乗客を吸い込み、宇宙船に搭乗する。
ナンテコッタ前田「これ、ちょっと痛くて苦手やな」
ナンテコッタ後藤「そうやな。慣れへんな」
ナンテコッタの二人も宇宙船に乗る。
小さくなった二人が窓から、搭乗手続きを行っている乗務員のスカート
を覗きこもうとする。
乗務員の大きな顔が窓の外に現れ、睨まれる。
窓のカーテンを閉めるナンテコッタ前田。
乗客の搭乗が終わると、宇宙船は光を発し、光速で目的地の惑星へ向かう。
○花の惑星・スペースポート
空にも、海にも花が咲いている。
宇宙船は花弁の上に着陸する。
ちょっと疲れた様子で降りてくるナンテコッタの二人を、サムが出迎える。
サム「よく来てくれたね」
ナンテコッタ前田「それは、サムさんからの依頼やもん。なあ(後藤を見る)」
ナンテコッタ後藤「そやそや。初めて依頼受けて、あまりの衝撃にネタができ
ずに困っていた俺たちを助けてくれたのはサムさんやもんな。自宅に招待し
てくれて、リラックスさせてくれて」
ナンテコッタ前田「それで、宇宙デビューできたんやから、ほんまに感謝して
ます」
サム「いや、君たちのおもしろさを宇宙中に知ってほしくて、当然のことをし
たまでさ。今日も頼むよ」
ナンテコッタ前田「しっかり新ネタ考えてきましから」
ナンテコッタ後藤「まかせてくださいな」
イスの形をした動く花がやって来て、サムとナンテコッタの二人は、そ
れに乗って移動する。
○花の惑星・演芸場
花の椅子に座り、舞台も大きな花弁。
スポットライトも光を放つ花で、マイクも声が響く花。
客席は花の惑星の住人たちで満席。
花のマイクを着けたサムが出てくる。
サム「それでは、本日のスペシャルゲスト、はるばる地球からやってきた笑い
のアーティスト、ナンテコッタのお二人です。どうぞ」
サムに紹介され、舞台に登場するナンテコッタの二人。
ナンテコッタ前田「どうも、地球のバラ、私、前田と地球の押し花、後藤です」
最初のコメントを投稿しよう!