第1章

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ナンテコッタ後藤「ちょっと待てや、なんでわいが押し花なんや」 ナンテコッタ前田「だって、お前、テレビの仕事なくなって干されてるやろ」 ナンテコッタ後藤「アホか、そんならお前かて一緒やないか」 ナンテコッタ前田「いや、そこはバラバラに活動しとるやん。俺は漫談もでき るさかいな」 ナンテコッタ後藤「何をうまいこというとんねん。一緒に漫才やっていこうや」 ナンテコッタ前田「それは、いやや」 ナンテコッタ後藤「なんでや。今までずっと一緒にやってきたやないか」 ナンテコッタ前田「だってな、お前、華がないやんけ。芸人としての」 ナンテコッタ後藤「なんでやねん。わいかて華あるわ」    前田をどつく後藤。    すると前田からバラの花びらが舞う。 ナンテコッタ後藤「何を仕込んでんねん」 ナンテコッタ前田「またまた、お前かて、出るやろ」    後藤をどつく前田。    すると鼻水をたらす後藤。 ナンテコッタ前田「さすがやね、華はなくても鼻水出すなんて。お前、地味な天才やな」 ナンテコッタ後藤「地味な天才って、褒めてんのか、けなしとんのかどっちやねん」    後藤が前田をどつくと、今度は前田からも鼻水が出る。 ナンテコッタ後藤「……」 ナンテコッタ前田「ごめん、俺も出せたわ」    大爆笑に包まれる会場。    取材に来ていたクルーが写真を撮っている。 ○花の惑星・各家庭    それぞれの家庭で、花から3Dで飛び出てくるナンテコッタの漫才を見 て、大笑いしている。 花の惑星の住人A「地球人って、ほんまバカやなあ」 花の惑星の住人B「ほんまって、喋り方、うつってますやん」 花の惑星の住人A「そういう、お前もやん」 ○花の惑星・スペースポート    宇宙タイムスが売店にあり、ナンテコッタの二人が三面で扱われている。 サム「視聴率もよくて、最高だったよ」 ナンテコッタ前田「またいつでも呼んでくださいな」 ナンテコッタ後藤「そやな、地球での仕事、だいぶ減ったしな」 サム「今度は、レギュラーになれるように大臣と交渉しときます」 ナンテコッタ前田「ほんまですか」 ナンテコッタ後藤「宇宙でレギュラーって、すごいですやん。お願いします」 サム「まかせてください。それと、もう一つ頼みがあるんですが……」 真剣な表情になるサム。    ナンテコッタの二人も、何かを感じ取る。 ○陽介の実家・前    前よりもかなり派手になっている。
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