2人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
葵「いいかげんにしなさいよ!三島先生のこと、そんなに悪くいうなんて。確
かに頼りないところはあるけど、まだマシじゃない。3組の大田先生に比べ
たら!」
他の児童たちも「そうだ」「そうだ」と葵に賛同する。
自分で黒板に書いた『私はあなたを許す』という花言葉を見つめる陽介。
葵「大丈夫よ。私たち、三島先生のことちゃんと許しているから」
陽介「……。(気を取り直して)それじゃ、席について。授業を始めるぞ」
席に着く児童たち。
和久と康太と陸も仕方なく席に着く。
授業を始める陽介。
○住宅街(夜)
街灯の電球が切れかかっている。
帰路を歩く陽介。
傘をさして、2メートル近くの大きなクマが歩いてくる。
一瞬、戸惑う陽介。
クマの持っている某テレビ局の紙袋が目に入る。
陽介「(撮影?)」
恐る恐るクマからちょっと離れてすれ違う陽介。
すると切れかかっていた電球がパッと明るくなる。
少し安堵する陽介。
○小学校・教室
花瓶にはスイートピーの花が活けられている。
黒板には、今日の花言葉『優美』と書かれてある。
和久と康太と陸が、ゲーム機で遊んでいる。
陽介が教室に入ってくる。
ゲームを慌てて隠す和久たち。
陽介「何度も学校に持ってくるなっていってるだろ」
和久「先生だって、パソコン持ってきてるじゃん。パソコンだってゲームでき
るじゃん」
康太「それにスマホだって持ってきてるしさ」
陸「説得力ないって」
ため息をつく陽介。
すると和久たちのズボンがストンと落ちて、パンツ一丁になる。
葵や他の児童たちは大笑い。
泣きそうになる和久たち。
かなり驚いている陽介。
陽介「(うそだろ……)」
でも、泣きそうになっている和久たちを見て、うれしそう。
和久「(ズボンを上げながら)笑うなよ!」
葵「だって、先生だって笑ってるし」
笑いを堪えようとするが、どうしても笑みがこぼれる陽介。
そんな陽介を睨む和久たち。
陽介「じゅ、授業を始めるぞ」
笑いながら席に着く児童たち。
○学校・カウンセリング室
大田がすがるように梢に相談している。
大田「子供たちの考えることがさっぱり理解できないんです。最初はかわいい
と思っていたけど、「担任の先生ってなんで選べないの?」とか、「宿題やら
最初のコメントを投稿しよう!