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「紅雪くん、私…貴方に隠してた事があるの。」
夕方の教室、クラスのアイドル四宮さんに呼び出された僕は今彼女と話している。彼女とは一ヶ月前の事件から何かと話をする機会が多かった。僕はもしかしたら彼女に恋心を抱いていたのかもしれない。
教室の中、彼女と二人きり。
彼女が放った『隠し事』がきっと幸せなものだと思いたかった。
「隠してたって…。一体何を。」
本当に願ってた。この次に来る答えが産まれて17年。一度も言われなかったあの言葉。彼女との関係が一歩前へ進む言葉。
答えは決まっていた。
「紅雪くん。私、実は…………、」
「な、なに?」
「私、妖怪なの。」
彼がその言葉を認識する間もなく彼女は己の姿を変えていった。
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