39人が本棚に入れています
本棚に追加
「それがね、シアトルに行く前に
ようやく出来上がった弁護士事務所があったでしょ?
あの弁護士さんが、佐々木くんの所の顧問弁護士なんですって。
それで、新しい事務所に行った時に、私の話がチラッと出たらしいの」
「へぇ。それで、ご指名ってわけ?」
「まぁ、一応、あの弁護士事務所の造りが気に入った、
とは言ってくれたけど」
ふぅーん。
低く、唸るような彼の相槌で、にわかに会話が途切れた。
そして、私は、少し視線を逸らしてセッセとグラタンを食べる彼に、
やや伺うような目を向ける。
妬いてる……?
しかし、ちょっと見では分からなかった。
だから、もう一つボールを投げてみることにした。
最初のコメントを投稿しよう!