第11章  痛む胸(続き)

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「でね、実は、食事に誘われたんだけど、 今日は、衛と一緒の夕飯って約束してたから、今度って断ったの。 でも良かったら、その時、衛も一緒に行かない?」 それに、キョトンとした彼の視線が戻ってくる。 「えっ? どうして、俺も?」 その顔に、私は、心の中で自分に苦笑した。 思い過ごしか――。 そして、顔の上には、しっかり笑みを乗せて答えた。 「だって、衛だって同じクラスメイトだったんだし、 久しぶりの再会だから、どうかなって」 しかし彼は、そんな私の誘いに微かに笑って、「俺は、いいよ」と 呟くように言った。
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