第11章  痛む胸(続き)

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「じゃあ、ベッドならいい?」 「うん……」 「小さくていいから、電気点けたい」 それには、やっぱり抵抗があった。 しかし、明らかにいつもと違う彼の様子に、これは受け入れようと頷いた。 「じゃあ、行こう」 彼は、私を抱き起すように立ち上がると、 そのまま私の手を引き寝室に向かう。 「あっ、テレビ……」 しかし、それには振り返りもせず、 「後で消すから」 そう言ったまま、私は、寝室へ引っ張られていった。
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