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もう彼の中に、佐々木くんへの対抗と嫉妬が渦巻いているのは明らかだった。
それを証明するかに、この夜の彼は、私の名前を呼び続けながら
何度も、何度も私を突き上げる。
喘ぎ疲れた喉が、ヒリヒリと悲鳴を上げ始めた。
だが、そんな翻弄されるように抱かれる私の中では
快楽と覚醒が、せめぎ合っている。
すごく切ない面持ちで想いをぶつける彼と、
私は、情事を終えた後に話がしたかった。
きちんと、自分は彼だけのものだと言葉にして伝えたかった。
しかしその一方で、必死に掴んでいた意識も、
彼に激しく揺さぶられる体と共に、抵抗空しく遠のきかける。
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