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税関職員が展開し輸入品の検査をする。現在では、麻薬探知犬や、トレーラーごと検査できる大型X線検査装置やトラックを改造した移動式X線検査装置を導入し次々と検査していくのだが、一九八〇年代は、税関職員が目視で、車の内部やトランク、コンテナ等を開被検査をしていく方法が主流であった。
留萌署員は、覆面パトカーにて留光興業組員の到着を待つ。
尾行班からの無線によると、留光興業の組員らは途中レンタカー屋で四トントラックを借りて港に向かってくる様だ。
覆面パトカーの運転席に座る堂場が助手席の榊に言う。
「榊、留光興業の奴ら、四トントラックで来るということは“S”(捜査協力者の警察隠語で、ここではペレンスコの事)が言うとおり、海産物の保冷箱等に紛れさせる手口かもしれない」
「見た所自動車以外は木材や発泡スチロールや木箱ばっかりだよな。四トントラックで自動車運ぶのは無理だから、海産物で間違いなさそうだな。けどよ、中古車ディーラーの日本人も、留光と繋がってんだろう? そっちも怪しいな」榊が鋭い目で言う。
「確かに、奴はカーキャリアで来てるから車を運べる」堂場はそう言うと、倒し気味のシートから、がばっと起き上がり興奮気味に言う。
「榊! やっぱり、四トントラックは囮だよ。Sは最近留光興業にかなり金を吹っかけていて留光興業としてもかなり厄介者になっている情報もある。
実は、俺は留光興業がすでにSと我々警察との関係を掴んでいる可能性も考えていて、留光興業はそれを逆手にとって、わざと四トントラックを俺たちに調べさせて、Sに落ち度を作って始末する事を考えているとも思うんだ」
「なるほど!!すごいな堂場。それなら留光興業は、Sに落とし前つけさせる事も出来るし、拳銃もSが知らない別のものに紛れ込ませれば解らない」榊も興奮気味に返す。
「けど、更に俺らが上手で、何気ない顔して外車積んで帰る中古車ディーラーの男を捕まえて拳銃発見という事になればいいな」堂場が言う。
「とりあえず、杉山さんに連絡して許可貰って、俺は別働隊で中古車ディーラーのカーキャリアを張るぜ」
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